コンクリート工事の品質管理といえば、スランプ試験とフロー試験でしょう。現場の職員でないとなかなか見る機会がないかもしれませんが、重要なのでまとめておきます。
スランプ試験とは?
スランプ試験とは、現場に搬入されたコンクリートのワーカビリティを図る試験で、JIS規格(JIS A 1101)で定められる試験です。
こちらの動画がとても分かりやすいと思います。コンクリートの採取から試験方法の詳細までかなり細かく説明されていますので、初めて現場に行く人は一度これを見てから行くと良いでしょう。
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動画にある通り、スランプ試験では、高さ30㎝のコーンにコンクリートを詰めて、コーンをゆっくりと抜いた時のコンクリートの沈下量をスランプ値といいます。
スランプ値が大きいほど、コンクリートを型枠に流し込みやすい(ワーカビリティが高い)ことになりますが、大きすぎると材料の分離が起こります。仕様書の記載にもよりますが、一般的には、普通コンクリートで18㎝以下が基準となります。
フロー試験とは?
構造物によっては、普通コンクリートではなく、流動性の高い高性能コンクリートを用いることもあります。その場合には、スランプ試験ではなくフロー試験というものを行います。
これも、こちらの動画がとても分かりやすい。
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やっていることはほとんど上記のスランプ試験と同じですが、コンクリートの沈下量ではなく、コーンを抜いて広がったコンクリートの直径を図る点がフロー試験の特徴です。
フロー値の基準はコンクリートの配合により異なり、仕様書の規定によりますが概ね50~60㎝程度が一般的のようです。
スランプ試験・フロー試験については、建築士試験の施工分野で出題される可能性があります。現場で実際の試験を見ていないとイメージしにくいかもしれませんが、動画を見てしっかりと覚えましょう。