【1級建築士・計画】競技場の設計時の注意点(向きとサイトライン)

建築士

この記事では、1級建築士試験では時々出題される「競技場の設計」に関して解説します。ポイントは、以下の2点です。

  • 競技場の向きは、日差しの影響を考え、東西を長軸方向とする。
  • 観客席は、サイトラインに配慮して計画する。

建築士試験で出題されるポイント

競技場の設計に関して1級建築士試験で出題される内容は、「競技場の向き」と「サイトライン」の主に2つです。

競技場の向き

サッカーやラグビーなど屋外で行う競技は、長軸を南北方向とする必要があります。これは、長軸を東西方向として場合、朝日や夕陽が眩しくて選手がプレーしにくいからです。
なお、日中は南側からの日差しもありますが、太陽高度が高くなるためさほど影響はないことから、長軸を南北方向としても問題はありません。

野球では、サッカーやラグビーのように長軸方向というものがありませんが、本塁から2塁に向かう方向が東北東を向くように設計することとされています。これは、バッター・キャッチャーが夕陽の眩しさのためプレーできないことを避けるためだそうです。

サッカー競技場・野球場のどちらの例も、眩しい夕陽がプレーに影響しないようにするにはどの向きに設計すれば良いか?と考えれば、正しい向きを暗記していなくともその場で正解に辿り着くことができると思います。

サイトライン

サイトラインとは、「競技場・劇場等の客席・観覧席の各々の人が、前列の人の頭又は肩を越して視焦点(舞台や競技場)を見ることのできる視野の限界線」のことです。
サイトラインは、座席の間隔や前の席との高低差により決まります。また、競技場では観客が立ったまま観覧することもあります。客席の設計の際には、サイトラインに配慮して、後ろの方の客席からも競技を見ることができるようにする必要があります。

(国交省 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計基準)

設計基準

競技場の設計にはいくつか基準があります。

日本サッカー協会(JFA)

日本サッカー協会からは、サッカー競技場の設計基準が公開されています。

日本サッカー協会 スタジアム標準

上記の標準では、フィールド(コート)の向きを南北方向にすることが望ましいとされています。

フィールドの方角は、太陽の位置や日常の風向きを考慮に入れた上で、決定する必要があります。特に選手・観客・関係者及びテレビカメラが太陽光線を直視しないですむように方角の決定をすることが重要であり、ゴールポストに相対する方向は南北、メインスタンドを西側に設定することが望まれます。

またこのほかにも、天然芝の競技場の場合、芝の育成のためにコート全体に十分に日光が当たるように設計するといった注意点も示されています。

公認野球規則

野球場の設計については、公認野球規則というものがあります。

公認野球規則

この中で、球場の向きについて、本塁から2塁に向かう方向を東北東とすることが理想的であると記載されています。

高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(国交省)

サイトラインについては、特に高齢者や障害者等への配慮から、国交省が設計標準を公開しています。

国交省 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計基準

この標準では、サイトラインを考慮して座席の間隔・手すりの高さなどを設計することが記載されており、標準的な寸法例なども載っています。

過去問

最近の過去問では、2018年に競技場の設計に関する出題がありました。

(2018年・計画・No4)
屋外のサッカー競技場は、一般に、冬期の風向きによる競技への影響を最小限とするため、競技のフィールドの長軸を、東西の方向に計画することが望ましい。

サッカー上の長軸は、南北方向とするべき。よって本選択肢は間違い。

(2018年・計画・No4)
屋外の野球場は、一般に、太陽光線の直射の影響を最小限とするため、本塁から投手板を経て二塁に向かう線を、東北東の方位に計画することが望ましい。

本塁から2塁に向かう方向は東北東とするべき。よって本選択肢は正解。

(2018年・計画・No4)
陸上競技場の観客席の勾配は、サイトライン(可視線)に配慮しつつ、観客が「競技者との一体感」や「競技の臨場感」を得られるように計画することが望ましい。

客席を設計する際にはサイトラインに配慮することが望ましい。よって本選択肢は正解。

まとめ

この記事では、1級建築士試験では時々出題される「競技場の設計」に関して解説します。ポイントは、以下の2点です。

  • 競技場の向きは、日差しの影響を考え、東西を長軸方向とする。
  • 観客席は、サイトラインに配慮して計画する。

出題頻度はそれほど高くありませんが、理屈をしっかり理解すれば必ず正解できるものですので、確実に得点しましょう。

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