【書評】お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

書評

久しぶりに読んだお金関連の本。橘玲氏の本はいくつか読んだが、いつもとてもわかり易い文章であり、その点だけでも読む価値があるように感じる。

本書にはお金持ちになるための様々なアイデアが書かれているが、主なポイントは以下のとおりである。

  • 世の中の”歪み”こそが黄金の羽根である。
  • 黄金の羽根を用いて、”合法的”にお金持ちになる方法が紹介されている。
  • 情報弱者のままでは、黄金の羽根を見つけることはできず、搾取される側になってしまう。
  • マイクロ法人を作り、個人と法人をうまく利用して、資産を築くことができる。

株式市場でも不動産市場でも、市場には何らか歪みがあり、そこにいち早く気づいて利用することが、お金を生み出す黄金の羽根となる。これは、決して違法なことをしているわけではなく、全て合法的なことである。

また、本書の各部では、日本の社会保障制度や税制度についての解説がなされており、いかに日本のサラリーマンが”搾取”されているかが述べられている。特に、サラリーマンが加入する厚生年金の保険料は、厚労省の裁量によりどんどん上がっており、社会保険料を含めたサラリーマンの税負担は非常に大きくなっている。この税負担をいかに避けるかが、本書の一番の主張である。

お金持ちになる方法は、①収入を増やす、②支出をへらす、③運用利回りを上げる、の3つの方法しかない。多くのサラリーマンが、①収入を増やすことを考え、日々自己研鑽をしていると思われる。その結果、出世や転職などにより収入が増えることも当然あるだろう。しかし、本書で示されるように、サラリーマンの実質的な税負担が30%近くあることから、多少年収が上がったくらいでは、経済的な自由は得られない。むしろ、以下に税金としての支出を減らすかのほうが効果が大きいといえる。この税金としての支出を減らす方法として、本書ではマイクロ法人の設立を推奨しており、法人での経費等をうまく調整することで、合法的に節税を行おうとしている。

今後、副業の解禁が進み、サラリーマンをしながら法人を設立することがより容易になれば、本書の方法によるお金の作り方は、より一般的になるかもしれない。

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