こんばんは。
ずっと理系一辺倒できたので、一般的な経営についての知識すらありませんでした。という事で、まずは入門編としてこの本を読んで勉強してみました。
目次
概要
東京大学での経営学の授業の内容を、10時間で読めるように簡単にまとめたものですが、3時間もあれば読めてしまいます。
内容は経営組織論、経営戦略論、技術経営論の三部で構成されており、各項目について主要なキーワードが解説されています。詳しい知識が得られる訳ではないが、入門編としてキーワードをさらうという目的には適していると思われます。
経営組織論
企業経営における一番の資本は人材であり、それをどうマネジメントするかは重要な問題です。組織論のなかでよく出てくる言葉が、それぞれ見開き1ページで簡単に解説されています。初心者にはありがたい。
まず、普段よく聞く言葉でもある事業部制や持株会社というものの解説から始まります。そのほか、マトリックス理論・資源依存論・PM理論といったワードがわかりやすく解説されていきます。
おもしろいのが、いわゆる日本の企業の古い体質である「終身雇用」「年功序列」「企業別労働組合」といった文化が、成功しているアメリカ企業にもみられるという解説が出てきます。日本では、これらの制度は日本企業の成長を阻む悪しき慣習と認識されがちですが、意外とアメリカでも採用されているとのこと*1。
経営戦略論
いわゆる日本の大企業に勤めるサラリーマンの多くが学んでいるであろう経営戦略論のお話を、基本的なキーワードごとに解説してあります。
例えば、市場シェアと市場成長率のマトリックスで戦略を考えるポートフォリオ・マトリックスや、自社の能力の中で他社が真似できないほどの能力であるコア・コンピタンス、自社の強みと弱みを知るためのSWOT分析といったものが出てきます。
技術経営論
特に製造業をイメージして、どうやって効率よく生産活動をしていくかについての理論であり、この辺りは日本が強いところかもしれない。
トヨタが作り上げた「必要なものを、必要な時に、必要な分だけ」供給することで効率化を図るジャストインタイムや、フォードが作り出した移動式組み立てラインの活用による大量生産を目指したフォード・システムなど、過去に成功した企業から出てきた経営術が紹介されます。また、基礎的な内容として、生産活動における計算の基本となる損益分岐点、 品質管理で出てくるQC7つ道具なども出てきます。
どの項目も、あまり深い内容は書いていないため、これだけ読んでも仕方ない感じもしますが、新社会人などが勉強するにはよい文献ではないかと思いました。
*1:これは本当なのだろうか?やや疑問でもある。