(1級建築士)コンクリートの空気量

構造

フレッシュコンクリートの性質を左右する要因に、空気量があります。実際の建設現場では、空気量をどのように測定しているのでしょうか。また、空気量はコンクリート強度への影響はあるのでしょうか。

空気量の測定方法

現場に搬入されたコンクリートは、スランプ試験などを行うとともに、以下のように空気量測定器により空気量を測定します。

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コンクリートの空気量は、概ね3~6%程度が一般的のようです。

 

空気量によるコンクリート性状の違い

空気量とコンクリートの性状については、建築士試験でもよく出題されるところなので、しっかり覚えてきたいところです。試験で良く出題されるものとして、以下のようなものがあります。

 

  • 空気量が多いほどコンクリート強度は小さい
  • 空気量が大きいほど、流動性が向上してワーカビリティが良くなる。
  • 空気量が大きくなると、凍結融解抵抗性が上がる
  • 打設後のブリーディングが少なくなる

 

空気量とコンクリート強度の関係は、最もよく出題される点なので、しっかり覚えましょう。

 

フレッシュコンクリート中には、練り混ぜ時に巻き込まれた小さな空泡が多数存在しており、それがベアリングのように作用してコンクリートが型枠の中を流れていきます。

 

また、この空泡は、外部が低温になってコンクリート内部の水が凍結して膨張することによる圧力の上昇を緩和してくれます。これを凍結融解抵抗性が上がるといいます。

 

また、空気量を多くすることは、コンクリートの水量を減らすことに繋がるので、打設後に骨材が沈んで水が浮き上がるブリーディングを抑える効果があります。

 

AE剤の使用による空気量の調整

上記の特徴から、コンクリート強度の観点からは空気量は少ないほうが良いが、施工性の観点からは、ある程度の空気量が必要ということがわかります。

 

空気量は、コンクリートの練り混ぜ時に混入するものがありますが、その他には、AE剤(Air Entraining剤)を用いて人為的に空気を混入させ、所定の空気量に調整する方法もあります。

 

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