鉄骨柱施工時のエレクションピースの役割とその後の処理

施工

鉄骨の柱を立てるときに、エレクションピースというものが登場します。建築士の施工の問題でたまに出題されることもありますので、解説します。

目次

エレクションピースとは?その役割

エレクションピースとは、鉄骨柱の建方の際、溶接接合する上下の柱を仮固定するためのものです。イメージ図は以下のようなもので、柱の端部にボルト穴の開いた小さい板が溶接されています。これに、スライスプレートをボルトで締め付けることで、上下の柱を固定することができます。

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つまり、エレクションピースとは、柱を溶接する際に仮の位置を固定するための冶具、ということになります。

施工後はどうする?

このエレクションピースですが、あくまで仮固定用のものなので、構造耐力を期待することはできません。よって、溶接が終わったら用済みなわけです。

通常は、溶接完了後にエレクションピースの部分を切断します。一般的な建物では、鉄骨柱の接合部分は内装材に隠れてしまって直接見ることは難しいですが、例えば大きめの駅では、ホームから鉄骨柱が見えており、エレクションピースの切断跡が見えることもできます。

建築士試験ではこんな感じで出題されます

さて、エレクションピースですが、建築士の施工の問題でたまに出題されます。

 鉄骨の建方に当たって、柱の溶接継手におけるエレクションピースに使用する仮ボルトについては、高力ボルトを使用して、全数締め付ける計画とした。(H18年過去問)

エレクションピースの目的は、溶接のための柱の固定ですので、当然ながら全ての仮ボルトを締め付けるのが正解です。(ボルト接合の場合、仮ボルトはあくまで仮の固定用なので、全てを締め付ける必要はありません)

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