(1級建築士)座屈荷重の整理

こんばんは。

 

今日は建築士試験で頻出の座屈荷重についてです。座屈荷重の公式は市販のテキストを見れば必ず出てきますが、その成り立ちを確認しておきましょう。

目次

座屈荷重の公式

まずは座屈荷重の公式の確認から。ヤング係数E、断面二次モーメントI、座屈長さlkとしたときの座屈荷重は次式となります。

  P = \frac{\pi^2EI}{l_k^2}

ここで大事なのが座屈長さl_kで、これは材端の支持条件によって決まります。

座屈長さとは

座屈長さは、支持条件によって変わりますが、主要なものをまとめると以下のようになります。
* 両端ピン l_k=l
* 固定端+自由端 l_k=2l
* 固定端+固定端 l_k=0.5l
* 固定端+ローラー l_k=l
* 固定端+ピン l_k=0.7l

変形状態のイメージから係数を覚える

上の座屈長さですが、それぞれ覚えるというよりも、座屈に至ったときに変形のイメージを覚えるのが良いでしょう。各ケースの変形状態を図にすると以下のようになります。

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まず基本となるのは①両端ピン支持のケースで、この場合は座屈長さ=部材の長さとなります。これが基本形。

 
さて、支持条件が変わった場合ですが、「どうすれば基本形になるか」を考えます。例えば、②固定端+自由端のケースでは、図のように同じ部材を反転させて繋げると基本形になります。この時の、全体の長さは部材長さの2倍の2Lになり、これが座屈長さとなります。また③固定端+固定端のケースでは、部材の真ん中の部分に基本形ができており、その時の長さはちょうど0.5Lとなっています。

このように、うまく基本形になるように部材を組み合わせると、以下のようになります。  

以上、座屈荷重についての整理でした。建築士試験としてはこれで十分ですが、もう少し詳しい解説としては以下のものが参考になります。

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