本日、免震装置の大手メーカーであるカヤバシステムマシナリーで、免震装置の製品検査でデータ改ざんがあったとの発表がありました。
https://www.kyb.co.jp/company/progress/progress_20181016_01.pdf
ところで、免震装置の検査って、そもそも何を検査するんでしょうか?簡単な解説します。
目次
免震装置に求められる性能
免震装置には色々な種類がありますが、求められる性能は、
- 建物の荷重を支える
- 建物の周期を長くする
- 建物の揺れによるエネルギーを吸収する性能
の3つがあります。今回問題になったオイルダンパーは③のエネルギーを吸収する役目を担っています。
構造設計上は、減衰係数cの部分に関係しており、建物本体の減衰に加えて、ダンパーにより減衰を付加することになります。
工場検査でやること
免震装置の工場検査では、主に以下のような項目を検査します。
- 外観検査(寸法、傷の有無など)
- 性能検査(所定の減衰係数が得られているか?)
- 塗装の膜厚検査
当然ながら1番重要なのは性能検査です。例えばオイルダンパーの場合、納品する製品を実際に加振装置で揺らしてみて、必要な減衰係数が得られていることを確認します。
結構地味な工場検査
免震装置の検査は、主に工場での検査となりますが、実はとても地味です。
上記の性能検査は、基本的に工場検査の前に事前に行われて、検査当日は書類検査となる事が多く、検査当日に性能検査を行うとしても、サンプルとして1機のみを行うこととなります。
また、寸法検査や膜厚検査も、非常に地味な検査ですね。