【書評】損する結婚、儲かる離婚

書評

こんばんは。

 

恋愛工学で有名な藤沢数希さんの著書『損する離婚 儲かる結婚』を読みました。私は今独身ですか、正直なところ独身のうちに読んでおいて良かったー、というのが1番の感想です。いろいろ得られるものが多かったので、簡単にまとめます。

損する結婚 儲かる離婚 (新潮新書)

損する結婚 儲かる離婚 (新潮新書)

 

 

目次

結婚という名の金融商品の取引

冒頭で、著者が外資系金融機関にいたときの友人の離婚話が紹介されます。彼は、妻に浮気をされた挙句、離婚に際して相当の金銭を妻に支払う羽目になります。これは、後述のように(男女問わず)収入の多いほうの配偶者が、相手に多額の費用を払わないといけないという日本の結婚制度によるもの。

我々が住宅ローンを組んだり、株式や債券などの金融商品を購入するときには、様々なリスクを検討するが、実は高額所得者にとって結婚は細心の注意を払わないといけない金融商品である、と著者は指摘しています。

婚姻費用>養育費>慰謝料

では具体的に、結婚している夫婦が離婚する場合、どのような費用が発生するのか。大きくは婚姻費用、(子供がいる場合のみ)養育費、慰謝料の3つが発生します。

婚姻費用とは、どちらかが離婚を申し出で別居し、その後離婚が成立するまでの間、収入の多い方が少ない方に対して支払う生活である。これは、夫婦は同程度の生活を維持するという考え方に基づく。婚姻費用の算定は、夫婦どちらに非があるとかにほぼ関係なく自動的に決まり、収入が多い方が少ない方に払うことになる。なので、専業主婦に浮気されて出て行かれても、ざっくり収入の半分くらいは持っていかれる。

次に養育費だが、これは離婚か成立して婚姻費用から逃れた後にやってくる。これはそろそろ夫婦の事情と関係なく子供の権利として請求される。これも相場がほぼ決まっていて、子が自立するまで払い続けることになる。

最後に慰謝料だが、これは浮気をしたなど非がある方が支払うことになる。しかし、離婚においては上述の婚姻費用や養育費に比べれば格段に安く、100万とか200万円程度である。

ケーススタディ

著書では、有名人の離婚などの事例から、どれだけの金銭の移動があったかを解説している。個別の事例は本書を読んで頂くとして、往々にしてマスコミ等の報道では婚姻費用については触れられず、慰謝料などが注目される。しかし、すでに述べたように離婚で最も重要なのは婚姻費用であり、おそらく報道から知るうる以上の金銭が、婚姻費用として移動している。

法律は知っていて損はない

このような結婚制度に伴う費用の話は、言われてみればその通りなのであるが、結婚をするときにいちいち調べたらしないであろう。法律というのは、自ら調べ知識を身につけたものだけに味方するのである。

では、我々はどうすれば良いか

では、このような結婚制度のなかで、我々ばどうするのが良いか。

まずいえるのが、専業主婦希望の女性との結婚はリスクの塊でしかないということ。婚姻費用は夫婦のうち収入の多い方から少ない方に支払うことになるので、専業主婦は働かなくても夫の半分の収入が手に入ってしまう。夫側からすると、リスクしかないのだ。

また、女性の側からすると、資産家の男と結婚するのもややハイリスクだ。婚姻費用は、結婚後の収入が基準となるので、結婚に資産が沢山ある男と結婚しても、その資産には妻は手を出せない。

1番リスクが低いのは、おそらく収入が同程度の男女が共働き前提で結婚する事。収入が同じならば、婚姻費用が相殺されてゼロになり、養育費と慰謝料だけになるので、これだけでもかなりのリスク回避になる。しかし、特に女性の場合、収入が同程度の男と結婚しても、子供と夫の世話が増えるだけなので、あまりメリットがない。よって、上昇婚志向になり、結婚できなくなる。なんとも世知辛い世の中である。

 

ということで、損する結婚得する離婚についてでした。

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