今日は構造系の問題のうち荷重・外力についてです。荷重・外力の項目は毎年2問ほど出題され、また法規の分野でもよく出てくる。荷重の問題としては、積載荷重・積雪荷重・風圧力・地震力など色々な出題パターンがあるが、構造の問題としては、地震力の問題は比較的簡単なので(特に暗記が不要)、ぜひマスターしておきたいところです。
目次
地震力の算定式
地震力の設定について一番基本となるのは、建築基準法施行令第88条の記載で、地震力は(固定荷重+積載荷重)に次式の層せん断力係数を乗じることによって算定することになります。
ここで、は第i層の層せん断力係数、Zは地震地域係数、は振動特性係数、は層せん断力係数の高さ方向の分布を表す係数、は標準せん断力係数。
このうち、構造の問題でよく出てくるのが振動特性係数とAi分布でしょう。
振動特性係数Rt
振動特性係数Rtは、建物の固有周期と地盤種別に応じて決まる係数で、以下の図のようになります。
ここで大事なポイントは、
1)短周期側では、地盤種別によらずRtは1 で、0.5秒付近からRtは小さくなっていく
2)同じ周期では、第1種地盤(固い地盤)ほど小さく、第3種地盤(やわらかい地盤)ほどRtは大きくなる。
ということ。
1)は、背が高く柔らかい(つまり固有周期が長い)ものほど、入ってきた力をうまく受け流してくれるというイメージを持つを理解できるでしょう。2)は、軟弱な地盤ほど地震の時に揺れやすいということで理解できるでしょう。
Ai分布
Ai分布は、地震時の層せん断力の高さ方向の分布を示す係数で、次式で表されます。
ここで、Wは地上部分の建物総重量、は第i層より上部の建物総重量。Tは1次固有周期。図にすると以下のようになります。
ここでのポイントは、
1)上の層になるほど、Aiは大きくなる。
2)固有周期が小さいほど、Ai分布のカーブが急になる
振動特性係数やAi分布については、式自体を覚える必要はありませんが、定性的な傾向だけを理解しておく必要があります。