こんばんは。
1級建築士試験シリーズでは、これまでに構造と施工についての記事を書きましたが、今回はおそらく試験で最も重要と考えられる法規について解説してみます。
目次
試験概要
法規の試験は、30点満点で時間は1時間45分。他の科目と違い、法規1科目のみの試験となります。また、法令集の持ち込みが可能で、インデックスやマーカーでの線引きをすることができます。ただし、法令集にメモ書きなどをすることはできません(試験前にチェックされ、場合によっては法令集を取り上げられます。)
法律の読み方から覚える
さて、これから建築関係法令を勉強していくわけですが、そもそも「法律」というものを読んだことがある人って意外と少ないのではないでしょうか。法律には、普段我々が目にする文章と違って、わかりづらく紛らわしい表現がたくさん出てきます。なので、まずは法律というものになれる必要があります。
例えば、以下の表現は、厳密に区別ができるようになる必要があります。
「および」、「並びに」、「または」、「もしくは」、「かつ」
法令集の準備が一番重要!
法規の勉強では、法令集の準備がとても重要です。縦書きのものと横書きのものがありますが、好みで好きなほうを選べばよいと思います(僕は横書き派でした)。
法令集を手に入れたら、インデックスを張り、さらにアンダーラインを引いていきます。予備校などに通うと、アンダーラインの引き方の例をもらえたりしますし、独学の場合は以前にも紹介したこちらのサイトが便利です。
平成29年版 TAC建築基準関係法令集の線引きデータ(更新) : TAC建築士講師室ブログ
このインデックス張り・アンダーライン引きで重要なポイントですが、
- インデックスを張ることで、建築基準法の全体像・構成がわかります。また、法から施行令、施行令から施行令規則とを行ったり来たりしながら見ることで、どこに何が書いてあるがのイメージがつかめます。
- アンダーラインを引くときに、色分けをしたり、カッコを使い分けたりすることで、記載内容の主従関係や並列の関係が明確になります。
1回目は答えを先に見て、そこから法令集を確認する
法令集の準備ができたところで、いよいよ勉強に入ります。ここでおすすめな勉強法は、「先に答えを見てから、法令集を引く」という方法です。
はじめて法規の勉強をするとき、問題文を読んで、その内容が法令集のどこに書いてあるかを探すのは結構難しく、非効率です。多くの問題集では、各問題の解説ページで「〇〇法第〇条〇項を参照」というように、どこを見ればよいかが記載されています。なので、自分でページを探すよりもはるかに効率的です。
このように先に答えを見てから法令集を引く方法で少なくとも1回、問題集を最後までやり通します。これである程度法規の問題になれますので、2回目以降は普通に法令集を引きながら解いていきます。
解答時間を意識して、法令集を引かずに勉強する
さて、2回目以降は法令集を引いて勉強するといいましたが、実際の試験を想定すると、できるだけ法令集を引かないで解けるようにする必要があります。というのは、1時間45分で30問(1問あたり4選択肢)なので、一つの選択肢にかけられる時間は1分もありません。なので、全ての問題を法令集を引いていては、時間が足りなくなるのです。細かい数字は法令集で確認することは必要ですが、そうでないものは、できるだけ覚えていくほうがよいでしょう。
関係法令は得点源
さて最後に、どの項目を優先して勉強するかですが、実は建築基準法(および施行令・施行令規則)以外の関係法令を先に勉強するのが良いと思っています。建設業法、バリアフリー法、品確法、緑地法など、確かに法令の種類は多いのですが、基本的に難しい内容の問題は出されず、素直に法令を読めば解けるものばかりです。この部分は確実に得点したいところだと思います。
ということで、法規の勉強法についての概要でした。各論については今後記事にしていきたいと思います。