建物の高さ方向の揺れを表す剛性率に対して、水平方向をバランスを表すのは「偏心率」を使います。
目次
偏心率とは?
偏心率は、建物の水平方向を表す指標で、以下の式で定義されます。
Re = e / re
ここで、Reは各階の偏心率、eは各階における重心と剛心の距離、reは弾性半径(各階の剛心周りのねじり剛性の数値を当該各階の計算しようとする方向の水平剛性の数値で除した数値の平方根)を表します。
偏心率は小さいほど、水平方向のバランスが良いことになります。剛性率は大きいほど高さ方向のバランスが良いということだったので、逆ですね。
偏心率が大きいとどうなる?
偏心率が大きいとは、下図(右)のように、重心と剛心が離れていることを意味しています。この時、地震による力は重心に作用するのに対して、壁などの耐震要素の力は剛心に作用するため、重心と剛心の距離が離れている(つまり偏心率が大きい)と建物がねじれることになります。このねじれを抑制するために、偏心率を出来るだけ小さくするように壁の配置を考えます。
構造計算の方法によりもよりますが、目安は偏心率0.15とすることを目標とします。(建築基準法施行令第82条の6)
まとめ
- 偏心率は、水平方向のバランスの良さを表す指標。
- 偏心率が小さいほど、ねじれ変形が起こらず、バランスが良いとされる。
- ルート1の設計の場合、偏心率は0.15以下とする。