意外と知らない言葉の定義:地震と地震動、震度と震度階、震源と震央

構造

日本は地震大国で、地震に関するニュースなどに触れる機会も比較的多い国ですし、中学・高校の地学の授業で地震について学ぶはずです。しかし、意外と正しい言葉の定義を知らない人が多いと思います。ということで、まずは基本的な用語の定義を覚えておきましょう。

目次

地震と地震動

そもそも「地震」とは何でしょうか?気象庁によれば、以下のように定義されています。

地震とは、地下の岩盤が周囲から押される、もしくは引っ張られることによって、ある面を境として岩盤が急激にずれる現象のことをいいます。

地震というのは、どこかが揺れるとかいうことではなく、何らかの力により岩盤のある面でずれが生じるという現象を指します。また、このずれ面のことを断層面と呼びます。

次に、地震が発生すると、その周囲に揺れが伝わっていき、最終的に地表面に到達します。これが「地震動」です。

 

「地震」が原因、「地震動」が結果、ということですね。また、地震動はある地点での揺れを表すので、当然ながら場所が違えば地震動も違います。

 

マグニチュードと震度

さて、地震が発生すると、テレビなどには地震速報が流れます。その際、「マグニチュードは〇〇、最大震度は〇〇」というような言い方がされます。

 

マグニチュードは「地震」の規模を表す指標で、「地震」という現象によりどれだけのエネルギーが放出されたかを表しています。

一方、震度はある地点での「地震動」の大きさを表す指標です。地震動の大きさを表す指標には最大加速度・最大速度・震度などいろいろあり、そのなかで地震速報で使われるのが震度というものです。

震度階と計測震度

さて、先ほど「震度」という言葉を使いましたが、これもちょっとややこしいものです。

 

まず、我々がよく聞く「震度〇(例えば震度6強)」というのは、正確には「気象庁震度階級」と呼ばれるものです。

www.jma.go.jp

 

気象庁震度階は、昔は気象庁の職員が体感や周囲の建物被害状況などをもとに決めていたそうですが、今は地震計による記録をもとに算定されます。ここで出てくるのが、「計測震度」というもの。これは、地震計の記録をもとに気象庁が定めた計算方法で算出されます。

www.data.jma.go.jp

 

この計測震度ですが、素人の人が読んでも何を計算しているのかよくわからないでしょう。簡単にいうと、地震記録がない時代に気象庁の職員が決めていた震度に概ね一致するような計算方法です。これにより、過去の地震との比較が可能になります。

 

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