鉄筋コンクリート構造では、コンクリートは主に圧縮力を負担するため、引張強度はあまり注目されません。しかし、コンクリート材料に関する問題として出題される可能性もあるので、覚えておきましょう。
目次
圧縮強度
コンクリートの圧縮力に対する強度を圧縮強度といい、次式で表します。
Pは最大荷重、Acは断面積です。通常は、直径10㎝・高さ20㎝の円柱型の試験体(シリンダー)を用いた強度試験により強度を算定します。
なお、この圧縮強度試験の方法は、基本的にはJIS規格に基づいて行われます。
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割裂試験による引張強度
コンクリートの引張力に対する強度が引張強度ですが、シリンダーを単純に引っ張って破壊する、という求め方はしません。実際には、シリンダーを横に寝かした状態で圧縮するという「割裂試験」という方法で求めます。(これもJIS規格で決まっています)
割裂試験では、横に寝かしたシリンダーに荷重をかけた時の最大荷重から次式で引張り強度を求めることができます。
ここで、は割裂試験での最大荷重、Dはシリンダーの直径、Lはシリンダーの長さとなります。
ポイントとしては、割裂強度から求まる引張強度は、シリンダーの直径Dおよび長さLに反比例するという点です。
引張強度の近似式
コンクリートの引張強度については、配合により差はありますが、おおむね圧縮強度の10%前後が一般的と言われています。そこで、以下のような近似式が用いられることもあります。
建築でよく使われるfc=18~36N/㎜2程度のコンクリートで、概ねfsp≒0.1fcとなるような近似式になっています。
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