(1級建築士)鉄筋の継手の注意点

構造

建築士試験では、鉄筋の継手についての出題が、構造・施工の両方の分野で可能性があります。*1以前の記事に出てきた重ね継手とやや重複しますが、改めて整理します。

目次

継手の種類

鉄筋は、施工の都合上、ある決まった長さのものを現場に搬入した後に、現地でつなぎ合わせていきます。これを継手といいます。継手には①ガス圧接、②重ね継手、③機械式継手の3種類があります。ガス圧接は、鉄筋に熱を加えながら突き合わせることにより、2つの鉄筋を繋げるものです。重ね継手は、2つの鉄筋を決められた長さだけ重複させながら番線で結び付けるというものです。機械式継手とは、鉄筋同士をカプラーという特殊な鋼管に差し込むことで繋ぎ合わせるものです。

どれを使うかは設計者・施工者次第なのですが、ガス圧接はD16以上の鉄筋でないといけません。また、重ね継手はD35未満の鉄筋でないといけません。機械式継手は、主に太径の鉄筋を対象に使われることが多いようです。

ガス圧接の注意点

ガス圧接には以下のような施工上の注意点があり、建築士試験でもよく出題されています。

  1. 隣り合う圧接位置は、400㎜以上ずらす
  2. 圧接部は鉄筋径の1.4倍以上、圧接部の長さは鉄筋の1.1倍以上とする
  3. 圧接面位置と膨らみの最大となる位置のずれは、鉄筋径の1/4以下とする
  4. 2つの鉄筋の軸のずれは、鉄筋径の1/5以下とする。
  5. 2つの鉄器の角度のずれは10度以下とする。

 

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特に、1と2が建築士試験ではよく出てくるような気がします。

 

重ね継手の注意点

重ね継手の注意点も建築士試験ではよく出てきます。

  1. 重ね継手の長さは、コンクリート長さと鉄筋径により異なる。
  2. 隣り合う重ね継手の位置は、重ね継手長さL1の1/2だけずらす。または、2つの継手位置を離す場合には、重ね継手長さL1の1/2以上離すようにする。

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特に2については、下図のように隣り合う継手位置が一致してしますと、そこにひび割れが生じてしまうので、良くありません。

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機械式継手の注意点

機械式継手については、建築士試験ではあまり出題させることが内容です。基本的には、それぞれの継手について、その製品・施工法が大臣認定を受けて使われるため、一般的な施工法というものがあるわけでもないようです。実務ではよく使いますが、建築士試験対策としては、特に覚えなくても良いのでしょう。

 

ということで、鉄筋の継手についての整理でした。

*1:このように、複数分野にまたがるテーマを勉強していくのが、試験対策としてコスパが良いかと思います。

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