【書評】超効率勉強法

書評

最近の研究でわかってきた効率的な勉強法に関する本。効率的な学習のために最も重要なキーワードは「アクティブ・ラーニング」であるというのが、本書の一番の主張です。また、アクティブ・ラーニングをする上で重要なのは「想起(思い起こすこと)」と「再言語化(自分の言葉に置き換えること)」であるとのこと。本書では、想起および再言語化によってアクティブ・ラーニングをすすめる方法が解説されています。さらに、その他の学習効率化のためのアイデアも記されています。

目次

アクティブ・ラーニングとは?

効果の高い学習をするためには、アクティブ・ラーニングが重要と言われています。本書でも様々な勉強法が紹介されていますが、結局のところ、アクティブ・ラーニングを行うことが最も重要だという主張です。

アクティブ・ラーニングとは、授業を受けながらノートを取るなど受け身の姿勢ではなく、自ら頭を使って学ぶこと、といえます。その具体的な方法として、本書では「想起」「再言語化」という2つの方法が示されています。

想起

想起とは、学んだ内容を思い起こすこと。教科書を読んだり授業を聞いたりするのは、一方的にインプットされるだけの受け身な学習です。そこで、学んだ内容を頭の中で思い起こすというステップを加えると、自ら能動的に頭を使うことになり、記憶の定着も良くなります。

おすすめの想起の方法としては、①クイズ化、②分散学習、③チャンク化、という3つの方法が紹介されています。

クイズ化

覚えたい内容を頭の中でクイズやテストにして思い出しながら学習をすすめる方法。たとえば、1ページ教科書を読んだら、一度本を閉じて、どんなことが書かれていたかを思い出しながらメモを取る、といった方法があります。

分散学習

学習をするときには、一度に複数のことを並行して学習するほうが記憶の定着がよいらしい。1回の学習時間を3等分して、3つの分野を並行して学習すると良いとのこと。

チャンク化

チャンクとは、意味のあるまとまりのことを指します。何かを覚えるときに、バラバラな情報をここに覚えるのではなく、意味のあるまとまり(チャンク)として覚えることで、頭の中が整理され、記憶に定着しやするなるとされています。例えば、電話番号を単に⑪桁の数字と考えると覚えにくいですが、090-xxxx-xxxxのように、3桁や4桁のまとまった数字と考えると覚えやすいのと同じ理屈です。

再言語化

再言語化とは、学習した内容を自分の言葉で置き換えることを指します。教科書に書いてある文章をそのまま覚えようとしても難しいですが、自分なりの言葉で置き換えることで、覚えやすくなるという経験は、誰にもあるのではないでしょうか。

再言語化には、①自己解説、②ティーチング・テクニック、③イメージング、という3つのポイントがあります。

自己解説

学びたいテーマを決めたら、頭の中で自分自身に解説するように勉強していく方法です。その際、「なぜ(why)」「どうやって(how)」ということに着目しながら自分に解説していくと、より理解が深まり記憶に定着しやすくなります。

ティーチング・テクニック

誰かに教えるつもりで勉強すると、学習の効果が高まることがわかっています。誰かに教えるためには、表面的な理解だけでは足りず、しっかりと内容を理解しておく必要があるからです。また、実際に誰かに教える必要がなく、誰かに教える”つもり”で勉強するだけでも効果があるとのこと。例えば、机にぬいぐるみを置いてそれに話しかけるとか、ペットに向かって教えるという方法も良いかもしれません。

イメージング

何らかのシーンを頭にイメージしながら学習すると、効率が上がるというもの。頭のなかで架空のディスカッションをイメージして、あるテーマに対して賛成・反対の双方がどんな意見を発するかをイメージしながら学習すると、より記憶に定着しやすくなる。

学習効率化のためのテクニック

効率的な学習の最重要ポイントはアクティブ・ラーニングであるが、本書ではその他のちょっとした学習効率化テクニックが紹介されています。例えば、以下のようなものです。

  • BGMを聞きながらの学習は効率が悪くなるので、絶対にやめるべき
  • 学習前に、その分野について「知っていること」を一通り書き出す。これにより、自分にとっての新しい情報がはっきりとし、記憶への定着がよくなる。
  • 周囲からのプレッシャーを利用する。例えば、熱心に勉強している人が多い場所へ行くと、自分も熱心に勉強する気になる。
  • 勉強した後には、しっかり脳を休ませる。脳を休ませている間に記憶が定着していく。
  • 中程度の運動をすると記憶の定着が良くなる。スタンディングデスクでの学習も活用すると良い。

その他にも様々な学習テクニックが紹介されているので、自分に合うものを試すと良いのではないでしょうか。

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