コンクリートには、ひび割れがつきものですが、その形状と発生原因を理解することはとても重要です。H29年にはひび割れ状況のイラストとその発生原因の関係性を問う問題も出題されています。
目次
様々なひび割れの発生要因
コンクリートのひび割れの主な発生要因としては、以下のようなものがあります。
- 床スラブに過大な積載荷重が作用したとき
- 地震荷重などの外力が作用して部材が変形したとき
- 基礎の沈下や門型ラーメン架構の支点移動など、躯体に強制変位が与えられたとき
- 構造体が加熱or冷却され、部材に膨張や伸縮が生じた場合
- 乾燥収縮におけるひび割れ
- セメントの水和熱によるひび割れ
地震など突発的な事象により発生するものの他、熱の影響など通常に建物を使用していても発生するものまで、要因は様々です。
基本的な考え方
ひび割れには特徴があり、どのような形状かによってその要因を推定することができます。基本的な考え方は、以下の2点。
- コンクリートは引っ張りに弱い。
- 接合する他の部材が少ないところほど、変形を生じてひび割れる。
1.はコンクリート材料の基本的な性質ですが、下図のように「引張力が作用した方向とひび割れの方向が直交する」というイメージを持つことが大事です。
(地震などの水平力が作用した場合のひび割れ)
2.は、乾燥収縮や熱応力などをイメージした場合で、ある壁に直交する梁や壁がある場合、接合部周辺は変位が拘束され、壁の中央でひび割れが発生することがあります。
具体例
その他の具体例を見ていきます。
・柱梁接合部で曲げモーメントが作用した場合
・建物上部の加熱・冷却
・スラブの積載荷重によるひび割れ
・基礎の沈下によるひび割れ
どのケースも、基本的には引張りと直交する方向にひび割れが生じています。
以上、コンクリートのひび割れ形状の特徴についてでした。