こんばんは。
以前、「お金2.0」という本の書評を書きましたが、今日はその本の著者・佐藤航陽が運営する会社メタップスがリリースしているアプリ「タイムバンク」についての記事を書きたいと思います。
目次
タイムバンクとは
タイムバンクとは、時間を売買するための取引所となるアプリで、株式と同じようにタイムバンク上に自分の時間を上場すると、その時間を売ったり買ったりすることができるというものです。また、時間の売買のほかに、リワードといって、保有する時間の量に応じて、著名人に会ったり相談に乗ってもらったりすることが出来ます(これは、仮想通貨でいうと、法定通貨に換金しないでそのまま決済する、みたいなものです)。
どんな人の時間が売買されているか
タイムバンクで売買される時間は、いわゆる「専門家」と呼ばれる人の時間です。時間の売買をしたい人は、アプリから申請をすると、SNS上での影響力を運営スタッフが審査し、それに通過すると時間が売買されます。株式でいうIPOのようなものです。
ただ、ちょっと気になったのが、このSNS上での影響力をどう審査しているのか、FAQなどを見ても出てこないので、誰にとってもオープンなシステムというわけでもないようですね・・・
手数料はかなり高い
さて、タイムバンクによる時間の売買をする上でとても重要な点があります。そう、手数料です。
タイムバンクの手数料は、以下のようになっています。
- 入金手数料:1.08%(5万円未満の場合は540円)
- 購入手数料:1.08%(5万円未満の場合は540円)
- 売却手数料:1.08%(5万円未満の場合は540円)
- 出勤手数料:1.08%(5万円未満の場合は540円)
ということで、かなり高い印象です。仮に、「100万円入金し、誰かの時間を購入し、10%値上がりしたところで売却」という取引をすると、手数料を引かれた後の実質利回りは約6.5%となります。これはかなり割高!
長期保有はできない仕組みになっている
手数料がかなり割高となると、取引回数を減らす長期投資を考えるわけですが、実はそれができない仕組みになっています。
ユーザー規約第10条に決済等の規約がありますが、その中に以下のような記載があります。
10万円以上を現金を6か月以保有しようとすると、自動的に指定口座に出金されるというもの。当然ですが、このときも上記の出金手数料が取られますので、長期投資をすることができないのです。
やはり胴元が一番儲かるということ
結局のところ、このタイムバンクというシステムでは短期の売買をすることしかできず、手数料がどんどん取られていくことになります。そう、これは仮想通貨の取引所と構図は同じで、胴元が一番儲かるというものなのです。
確かに、一般の人でも著名人に直接コンタクトをとれる可能性があるというのは、ある意味面白い試みかもしれません。そういう点では使い道はあるのかもしれませんが、少なくとも投資という意味でタイムバンクを使うメリットは極めて少ないと思われます。さらに、コインチェックの1件以降、仮想通貨取引所に対しては金融庁などの規制が厳しくなるようですが、タイムバンクはどう規制されるのか・ユーザー保護はなされるか、とった点もやや疑問に感じます。
ということで、タイムバンクについて整理してみました。