いよいよ一級建築士の製図試験まで1週間を切りました。受験生の方はラストスパートをかけているところでしょう。
ここでは、製図試験のうち、記述問題について解説します。
目次
今年の課題
今年の製図の課題は、「健康づくりのためのスポーツ施設」と発表されています。
平成30年一級建築士試験「設計製図の試験」の課題を公表しました:建築技術教育普及センター
要求図面は、1〜3階の平面図、断面図、面積表となっています。また、建物の特徴として、温水プールを有すること、パッシブデザインを積極的に取り入れること等が指名されています。
構造の観点からすると、注意する点は以下のようなところでしょう。
- プールの配置を踏まえたグリッド計画
- プール部分の大スパンとなる部分の設計(PC梁の利用など)
- プール部分の形状や荷重の考慮した設計(プール部分の断面計画、荷重に応じた梁断面)
PC梁の利用や断面計画は、この課題に限らず毎年注意するポイントなので、過去問をしっかりとやっていれば対応できると思われます。
ただし、今年の要求図面には躯体図がありません。よって、PC梁や梁断面の工夫は、図面上て表現(アピール)することが難しく、記述問題の方にしっかり設計上の工夫を明記する必要があります。
構造関連は記述は過去問のコピペで良い
製図試験では「計画の要点」を記述する問題がありますが、構造に関するものは、ほぼ毎年同じような出題がなされます。
基本的には、十分な耐震性を持たせること、大スパン部分の部材設計の工夫、偏心の少ない平面計画、といったことを書いておけばほぼ間違いなく、これらは過去問の模範解答をそのままコピペしておけば十分と言えるでしょう。
図面との不整合だけは避ける
記述問題の解答は過去問のコピペで問題ないのですが、記述した内容が、図面を整合していない(または、図面から読み取れない)と、減点の対象となります。特に今回の課題では、躯体図がないので、設計上いろいろな工夫をしたつもりでも、それが採点者に正しく伝わらない可能性があります。
このような場合、例えば2階の平面図に、大スパンのためのPC梁を採用した部分を点線で明記しておく等しておくと良いでしょう。