(建築士法2)建築士事務所の業務

法規

前回に引き続き建築士法についての解説です。今回は建築士事務所がこの時期に行う業務の紹介です。

(建築士法1)建築士が異動の時期にやらないといけないこと

目次

建築士事務所の事務

建築士事務所の業務は建築士法第23条〜第27条に規定があり、主な内容としては、

  • 建築士事務所の登録手続き、登録事項の変更手続き
  • 事務所の管理(管理建築士の設置、年次報告、所属建築士の管理)
  • 設計図書の保存
  • 事務所解説者に対する監督処分

といった内容が規定されています。

管理建築士の業務

事務所の開設者は、事務所の管理を行うための管理建築士を置く必要があります(第24条)。管理建築士の業務は第24条の各項に記載されていますが、主なものは、

  • 受託可能な業務量・難易度の設定
  • 業務を担当させる建築士の選定・配置
  • 他の建築士事務所との提携、提携先に行わせる業務範囲の作成
  • 所属建築士の管理

といったものがあります。過去問では以下のようなものありますね。

2017年No22(3)建築士事務所を管理する建築士は、当該建築士事務所において受託可能な業務の量及び難易並びに業務の内容に応じて必要となる期間の設定、受託しようとする業務を担当させる建築士等の選定及び配置等の所定の技術的事項を総括するものとする。 (○)

年次報告

建築士事務所の開設者は、事業年度ごとの業務実績や所属建築士を記載した報告書を都道府県知事に提出する必要があります。4月〜3月を事業年度としている多くの会社は、この時期は報告書の作成に追われますね。

過去問では以下のような出題があります。

2017年No30(4)建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに、設計等の業務に関する報告書を作成し、 毎事業年度経過後3月以内に当該建築士事務所に係る登録をした都道府県知事に提 出するとともに、所定の業務に関する事項を記載した帳簿を備え付け、各事業年度 の末日にその帳簿を閉鎖し、その翌日から 15年間保存しなければならない。 (○)

事務所開設者への監督処分

事務所の開設者は、建築士の資格を持っていなくても、建築士法により処罰の対象となります。過去問でもいくつか出題されています。

2019No28(2)建築士事務所の開設者である一級建築士が、当該建築士事務所の登録期間が満了したにもかかわらず、更新の登録を受けずに他人の求めに応じ報酬を得て工事監理業務を業として行った場合には、当該建築士は、業務停止等の懲戒処分の対象となる。(

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