(1級建築士)円形断面の断面2次モーメント・断面極2次モーメント

こんばんは。

先日の記事で断面の性質について整理しましたが、今日はその少し応答編で、円形断面の断面2次モーメントと断面極2次モーメントについての解説です。

目次

円形断面の断面2次モーメント

鉄骨造の場合、円形鋼管はよく使う部材です。円形断面の場合、長方形断面の場合の公式 I_x=\frac{bh^3}{12}は使えませんので、定義通りに断面2次モーメントの計算をします。

まず、下図のように半径rの円(中空ではない)の断面2次モーメントは、以下のようになります。
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 I_x = 4\int_0^r y^2\sqrt{r^2-y^2} dy \\ = \frac{\pi}{4}r^4

この式を用いて、外径がR、内径がrの中空の円形鋼管の断面2次モーメントは、以下のようになります。
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 I_x = \frac{\pi}{4}R^4 - \frac{\pi}{4}r^4 \\ = \frac{\pi}{4}(R^4-r^4)

なお、断面係数は、断面2次モーメントを中立軸から最外縁までの距離(=外径R)で割ればよいので、

 I_x = \frac{\pi}{4R}(R^4-r^4)

となります。

断面極2次モーメント

今まで扱ってきた断面2次モーメントは、2次元平面のXY直交座標系に対するものでしたが、極座標(r、θ)に対するものも当然定義することができ、断面極2次モーメントI_pと呼ばれます。

 I_p = \int_A (x^2+y^2) dA \\ = \int_A r^2 dA

極座標にすることで、積分がちょっとだけ簡単になります。半径Rの円形断面の断面極2次モーメントは、

 I_p = \int_0^R r^2(2\pi\ r) dr \\ = \frac{\pi R^4}{2}

断面極2次モーメントですが、例えばねじりモーメントに対する応力を求める際に使ったりします。しかし、1級建築士の試験で出ることはまずないと思われますので、無理して覚える必要はないでしょう。

おまけ:中空でない円形鋼管を使った建物

同じ断面積の場合、中空にして断面サイズを大きくすることで、断面2次モーメントを大きくすることができます。これにより曲げ剛性が高まるわけです。通常のH型鋼などはそのような考えから出来た断面形状です。
一方、あえて鉄骨で中空でない断面を使用した建築物もあります。例えばこちらの建物では、中空でない鉄骨の無垢柱を用いて構造デザインがなされているものです。鉄骨の断面がスリムになることで、よりスタイリッシュな意匠設計が可能となった一例でしょう。

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ということで、断面の性質に関する追加の解説でした。

 

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