こんばんは。
先日、仙台にあるニッカウヰスキー宮城峡の蒸溜所見学に行ってきました。ウイスキー好きとしては一度は行くべきスポットです。
簡単にご紹介してみます。
目次
宮城峡とは
「宮城峡」は、余市に続くニッカウヰスキー第二のシングルモルト*1です。朝ドラで有名になったニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝が日本各地に蒸溜所の候補地を探していた際、広瀬川と新川という二つの清流を流れる綺麗な水に一目惚れして、ここに建設が決まったんだそうです。
ウイスキーの蒸溜所は、良質な仕込み水がある、気温が低くて湿度が高い、泥炭が入手しやすい、原料である二条大麦が入手しやすい、といった条件が求められます。特に、仕込み水は出来上がるウイスキーの質に直結する重要な要素なんだとか。
見学コース紹介
見学コースは、無料のものと有料のテイスティング体験付のものの2種類。今回はせっかくなので有料コースにしました。
最寄りの作並駅からバスで蒸溜所に着くと、レンガ造の建物群が立ち並んでおります。1969年竣工ということですが、建物も歴史を感じるいい雰囲気を醸し出しております。
見学コース開始までビジターセンターのホールで少し待ちます。ここにも、ウイスキーの製造方法やニッカウヰスキーの歴史に関する展示があり、見学コーススタートまで飽きることがありません。例えば、こちらの写真は蒸留したばかりのウイスキー*2が樽の熟成を経て琥珀色に変化していく様子が実物で示されておりまして、工場ならではの展示です。
ウイスキーはこうして作られます
さていよいよ見学コースのスタートです。工場内には製造工程毎にいくつかの建物があり、順番に回って行きます*3。
製造工程は以下のステップに分かれます。
- 製麦
- 糖化
- 発酵
- 蒸留
- 熟成
蒸留所では、基本的に工程ごとに別の建物で作業が行われており、見学ツアーではこの工程にそって順番に建物を回っていきます。
たとえば最初の製麦の工程。ここでは、水分を含ませて発芽させた麦芽に熱風をあてて乾燥させていきます。そこでつかうのがこちらのピート(泥炭)。これによりウイスキー独特のピート香が麦芽につきます。現在は乾燥させた麦芽を海外から輸入しているので蒸留所内でピートを焚いているわけではないのですが、見学者用に実物のピートがおいてありました。
また、こちらの写真は、蒸留工程で使う蒸留器。この蒸留器、ボディの形やネックの角度などの形状によって蒸留されるウイスキーの風味が変わるようで、蒸留所ごとに違いがあるんだそうです。なんとも奥深い。
ちなみに、蒸留器の上部にしめ縄が巻いてあるんですが、これはウイスキーづくりは日本酒造り*4と同様に、自然からの恵みへの感謝を表すということでつけているんだそうです。
そして最後は、ウイスキーづくりの醍醐味でもある熟成工程。今回見学した熟成倉庫は、平積みタイプでした。蒸留所によっては、これが2段・3段になるそうです。
ちなみに、ウイスキーなど樽で長期熟成するタイプのお酒は、熟成期間中に気化していくことによって、最初に樽いっぱいに詰めていたお酒が徐々に減っていきます。この気化によって減る分を「天使の分け前」なんて呼ぶんだとか。なんともすてきな呼び方ですね。気温・湿度にもよりますが、一年で2~3%ほど減っていくようです。10年で3割、20年で5割くらい減ることになります。10年・20年先にどんなお酒がどれくらい必要かを考えながら樽詰めをするんだそうです。なんともスケールの大きい話です。
そんなわけで、宮城狭の見学コースをざっと紹介しました。続きのテイスティング体験のほうはまた明日。